清純で豊富な地下水を使い、鰻に最適な水質を保ち、真心込めて鰻を育てる鰻師・加藤尚武。養鰻場敷地内に住居を構え家族で住み込み、まさに鰻と寝食を供にする。水を操り、鰻をあくまでも抗生物質を一切使わない完全無投薬養殖に挑む。
世界一大きい諸味木樽で、3年もの間、自然発酵でゆっくり熟成させた醤油は、深みのある香り、深紅でテリのある色合い、塩カドのない、驚くほどまろやかな風味を醸し出す。混ぜるタイミング、火入れの勘、決断。杜氏の技と情熱が、品質のみを追求した醤油。
焼酎人気の中、大量生産をする事なく、材料も地元農家の芋を使い、精魂込めて作り上げた逸品芋焼酎。杜氏・大牟禮良行が、蔵に泊り込み造るこの焼酎が、蒲焼のタレの”まろやかさ“となって現れる。
肥後熊本の伝統酒「東肥赤酒」。米を原料に、諸味に木灰を加える伝統の灰持酒製法を守るは、杜氏・岩根豊生。全国の板場で使われる料理酒として、プロの料理人の支持は高い。微アルカリ性の赤酒は、鰻をふっくら柔らかく仕上げ、照りやツヤ、深みのある味わいを引き出す。
素材のうまみを最大限引き出す五匠鰻の仕上げは、火を操る焼師・市川成洋。一度白焼き(素焼)にして蒸す。こだわりのタレをつけては焼き上げる工程を4回、炭火の温熱効果でやさしく包み込む。丹念にじっくり、タレの旨味を充分に引き出して九州五匠鰻の完成である。