山田の勝負メシプロジェクト始動!!

YAMADA'S
“SYOUBU-MESHI”
山田の勝負メシ

うなぎとごはんは最強のアスリートフード。
食でアスリートをサポートすべく、日本を代表して戦うアスリート×山田水産の対談企画スタート!

アスリートたちにとって、日本を代表して戦うことは特別な想いがあり、そこに至るまでの熱いストーリーがあります。大事な試合に挑むのは孤独な戦いかもしれません。しかし頑張るアスリートのために、山田水産にも何かできることがあるのではないだろうか、そんな想いから誕生した山田の勝負飯プロジェクト。
古くから人々の”元気の源”として愛されてきたうなぎを、現代のアスリートに”エネルギー源”として提供し、食を通してアスリートのみなさんのサポートをしよう!私たちはこう決意しました。
この企画では、プロジェクトの発起人であり、自身もマラソンsub3.5ランナーとして別大マラソンへの出場も果たす自称アスリート(素人)の山田信太郎専務が、日本を担うアスリートと対談し、スポーツの魅力と食べることの大切さをクローズアップします。

第4回はラグビーの大学選手権で明治大学を見事優勝に導いた、明治大学ラグビー部の田中澄憲 監督。明治大学を愛してやまない山田専務(駒大卒)との熱烈ラブコールのもと実現した今回の対談では、明治大学のラグビーに対する想いから選手の食生活まで余すことなくおはなしいただきました!

対談風景

明治大学ラグビー部を22年振りの優勝へ導いた
名将田中監督が語る「明治愛」

まずは明治大学ラグビー部大学選手権、22年振り13回目の優勝おめでとうございます!

ありがとうございます!

僕、本当に明治大学ラグビー部が学生の頃から大好きで、今日八幡山のグラウンドに来られたことが嬉しくて、僕にとってのディスニーランドと言っていいくらい「夢の国」いるような気分です・・・!

そんな風に言っていただけて嬉しいです(笑)

僕が学生の頃、早明戦のチケットはまさにプラチナチケットで、渋谷の東急文化会館のチケットショップに徹夜で並んだこともありました。

私も現役時代ありましたよ!

対談風景

監督もですか!?

大学側から割り振られるチケットだけでは足りないので、1年生が徹夜で並ぶんですよ(笑)

徹夜で並んでもチケット発売がデマだったってこともありましたよ(笑)懐かしいなあ〜

昔は国立競技場での試合は入った順番で席が確保できたから、徹夜で並びましたけど、あとから抽選に変わりましたもんね

アマチュアスポーツ史上最高の盛り上がりを見せていたんじゃないですかね?

そうですね。国立競技場での早明戦はアマチュアスポーツの入場者最高記録を持っていると思いますよ。

早明戦はやはり、両大学にとって特別な試合ですもんね。今の学生にとっても早明戦の特別感ってあるんですか?

ありますよ!現役の選手たちも、もちろん特別な試合だと思っています。

やっぱりそうなんですね!お互いの大学にとって大事な試合なんだというのが受け継がれているから、特別感があるんでしょうね。そういう部分も監督からおはなしすることもあるんですか?

あえて言葉にはしないですけど、秩父宮もたくさんの人に応援に来ていただけますし、周りが試合を盛り上げてくれますから、特別な試合になっていると思います。

各大学の試合を見ていると、不思議なことにその大学の伝統やプレイスタイルがしっかりと受け継がれているのが大学ラグビーのすごいなあと思うところですね。

駅伝で伝統のたすきを繋ぐように、ラグビーの場合はそれがジャージだと思うんです。そのチームのジャージを着ることで歴史や伝統の重みも伝わるのかもしれないですね。

山田信太郎 専務

これからもずっと明治大学の型が次の世代へと受け継がれていくんでしょうね。

だからこそ指導者のあり方が大事だと思っています。私自身が勝ちたいというのではなく、「明治大学とはどういうチームなのか」を選手たちと一緒に追求して、試合に勝利して成長する、ということを大切に指導していきたいと思います。

僕はラグビーが好きなので、ビジネスのたとえ話もほとんどラグビーなんですよ。

ははは!そうなんですか?(笑)

これは勝手なファン心理かもしれないんですけど、明大ラグビー部には明大ラグビー部の型がある気がしていて、「こうしたら勝てるんだけどこれをやったら明治大学のラグビーではない」というプライドというか。そこに通じる部分が我々の会社にもあって、「儲かるけどこれをやってしまうと山田水産ではなくなってしまう」ということもあるんですよ。だからこそ大学ラグビーは、各大学はその型を楽しんでいる部分がある気がしますね。

田中澄憲 監督

そうですね、自分たちの大学のスタイルや原理原則で、進んでいくのが大学ラグビーの楽しみ方であり魅力でもありますね。明治大学ラグビー部の魅力はやっぱりスクラムなので、そこは僕自身も明治大学で育った人間としてこだわっている部分です。

近代化された戦術の中でも、どの大学も明治大学と組むためのスクラムがあるんでしょうね。

最初に選手たちに会ったときに、この子たちは明治大学でラグビーをしたいんじゃなくて、「明治大学のブランド」だけで入学しているんじゃないかなと感じたんですよ。昔は大学ラグビーの中で一番強かったから、上下関係が厳しくても「明治大学のラグビー部に入部したいです!」という学生が多かったんですが、今は20数年優勝できない状況が続いていて、その部分を指導者として変えてかなければならないなと思いました。

しかし、ラグビーだけを教えるのではなくて、「明治大学ラグビー部がどういうチームなのか」「明治大大学ラグビー部にはどういう歴史があるのか」という部分を教えたいと思っています。選手達が「チームで何を成し遂げたいか」「どういうチームの一員なのか」というところを自覚してほしい。だからまずは監督もコーチもその部分を理解していないといけないので、コーチには僕が4年生だったときの1年生だった「ミスター明治」みたいな人物をチームに招きました。

いいなあ~「ミスター明治」(笑)

ミーティングをしているとスクラムのシーンを再生して、「なんで俺がスクラムにこんなにこだわっているかわかるか?」って選手に質問するんですよ。そして「俺がスクラム好きだからか?違う明治だからだ!」って答えるんです。「君たちは明治大学ラグビー部に入ってきたんだから、スクラムからは逃げられない」と。こういうことを選手たちにもっと伝えていってほしいと思っていて、論理的なものも大事ですけど、「明治大学ラグビー部とはこうである」という精神の部分を共通認識としてもっているコーチたちと、一緒にチームを作り上げています。そうすることで今の選手たちにもその文化が浸透していくと信じています。

田中澄憲 監督

方向性や目指すものがきちんと浸透している組織は強さが違いますよね。

それが行動規範というか、判断基準にもなりますからね。例えばゴール前ペナルティをもらったときに、簡単に点を取りに行くチームもあれば、「よし!スクラム組むぞ!」という、うちみたいなチームもある。

「勝つための選択肢」と「明治大学ラグビー部であり続けるための選択肢」がイコールであるのがベストではあるけど、会社でもありますが「利益を上げるための選択肢」と「その会社のアイデンティティを保ち続けるための選択肢」がありますよね。

「勝つためだけの選択肢」や「利益を上げるためだけの選択肢」だけのチームになってしまうとロイヤリティがなくなってしまうと思います。

それをサントリーの社員でもある田中監督が語るからこそ、より説得力が増します。サントリーも利益だけを出そうと思えばその選択肢も選べるなかで、「山崎」みたいなコストも労力もかかるかもしれないけど、佐治イズムを大事にし続けているのは本当に素晴らしいと思います。

そういう魅力のあるチームにしていかないといい人間が集まらないと思っています。この二十年間、明治大学ラグビー部にはそれがなかった。このチームでラグビーがやりたいと思ってもらいたい。

田中澄憲 監督

明治大学ラグビー部の真髄を見た気がします。もうこれは「明治愛」ですよね

「明治愛」がなかったら、監督の仕事を受けていないですよ!
でも僕自身は監督という感覚では指導をしていないかもしれないですね。僕がなぜここに監督として来ているかというと、ただ監督がしたくてきてというわけではありません。サントリーに所属しているので、そのままずっとサントリーにいれば、毎日やんちゃ坊主100人たちと過ごさなくてもいいんです(笑)
でも良い選手がいるのに20何年も勝っていなくて、OBとして寂しいというか。

僕が在籍していた90年代は10年間で大学選手権5回優勝して2回準優勝と、明治大学の黄金時代と言われて常に優勝争いをしていたんですよ。だから声をかけていただいたときに自分にとっていい機会だなと思って監督になることを決めました。
明治大学がラグビーの強い大学になってくれると嬉しいなという思いで、監督というよりもどちらかというと、後輩のサポートをしている感覚です。会社の部下だとマネジメントしないといけないという気持ちになると思うんですけど、後輩だと思うからこそ、丁寧にはなしができるんだと思います。

まさに愛ですね、愛!

そうですよ!今のコーチ陣にもその愛があるから、価値観が一緒なので、その価値観を後輩たちが受け継いで、その次の世代に繋げていってくれると信じています。去年優勝したチームのメンバーが10年後、20年後に明治大学ラグビー部のコーチや監督になってくれると嬉しいですね。だからこそ、愛情のない先輩が後輩に関わってはいけないと思います。

試合風景

その熱い「明治愛」があっての昨年度の優勝はどういうお気持ちでした?

「監督兼先輩」というスタンスなので、優勝して嬉しいという感じではなくて、「ああ、こいつら頑張ってよかったな」という安心感ですね。

「なぜスクラムを組むのか」という問いの答えが、「明治大学ラグビー部だから」というのと同じく、心臓のど真ん中にスドーンと響く「明治愛」ですね。歌舞伎の成田屋や中村屋に十八番があるように、明治大学のラグビーにはスクラムがあるんですね。

周りもそれを求めている部分があって、ペナルティをもらってゴール前でスクラムを組むと客席が「うおー!!」と盛り上がるんですよ。

早明戦ってもはやひとつの作品だと思っていて、ゴール前でスクラム組むのはもうわかっているのにそれでもみんな「うおー!!」って楽しんでいますよね(笑)決まりきったことをあえてやるというところで、各大学のアイデンティティのぶつかり合いが見られる。そこが大学ラグビーのとても大きな魅力だと思います。チーム論って会社経営にも通じますね。

そうですね。会社もチームも組織がどの方向に進みたいかが明確でないといけないですよね。

うちの会社でも、スクラムを組むときに100kgと80kgだったら、100kgが勝つのが当たり前だけど、力を合わせてバインドをすれば踏ん張ることができる。だから大企業に比べると力は弱いけど、横の繋がりをしっかり意識してバインドを組める会社にしようと社員に伝えています。

本当に例えがラグビーなんですね(笑)

山田信太郎 専務

本当にラグビーに例えてますよ!仕事ができるからといって、自分だけが全速力で仕事をして自分のタイミングだけで、相手に渡すとミスが起こるから、相手がトップスピードで走り込んで来るタイミングでパスを出せる仕事の仕方をしよう!とか。

相手が取りやすいパスを投げるというのは本当に大事ですからね。

ラグビーボールってどこに転がるかわからないじゃないですか。一生懸命追いかけていると、何回かに1回は自分のところにスポッとやってくるタイミングがありますよね。全力でおいかけていたらラッキーが起こるから、だから全力で追いかけようって思うんです。

ラグビー愛に溢れてますね(笑)

僕の中にも「明治愛」が溢れているので(笑)
昨年のチームはスタートから「打倒、帝京大学!」という気持ちで挑んでいたんですか?

私が明治大学のヘッドコーチに就任した3年前から、「打倒、帝京大学!」という雰囲気でしたね。トレーニングや身体作りについて正しい方向性でしっかりと計画できてはいましたが、それでも選手は自信が持てていなくて。空気としては、「いやいや帝京大学には勝てないでしょ・・・」という感じもありました。そこを「俺は本気だよ」とはなして一緒に頑張ってきました。そこから、早明戦に勝って大学選手権を戦っていく中で、19年ぶりに決勝に進んで帝京大学と戦って、1点差で負けてしまったんですけど。そのときに選手たちのなかに、「やることをやったら帝京大学にももしかしたら勝てるかもしれない」という自信が生まれたんだと思います。その経験を経て、去年のシーズンは春から「本気で帝京大学に勝たなければいけない」という空気がチームに満ちていて、春・夏・秋と一度も帝京大学には負けていません。

田中監督の中には選手たちをこう鍛えたら帝京大学に勝てるという自信はおありだったんですか?

1年目はとにかく目標達成に向かって必死でした。自身というよりチャレンジというシーズンでした。19年ぶりに決勝に進み、王者を相手に1点差という試合をしたので、そこが良い意味での裏切りでしたね。もちろん悔しさも大きかったです。だからこそ2年目は必ず勝たないといけないなと思いましたし、勝てるという自信もありました。

嬉しい誤算というものがあるんですね。

大学生の成長する力は本当にすごくて、1週間もあればドーンとチームが変わります。ちょっとした自信というのが、選手たちの顔つきやチームの雰囲気を変えていくんです。そこが社会人ラグビーにはなかなかない、大学ラグビーの魅力だと思いますね。

トップに立つ人が、「やるぞ!勝つぞ!」と明確に言うというのは大切ですよね。私たちの会社もうなぎ事業をやっていく中で、社長が「やるぞ!」って宣言することを信じてひとつひとつ取り組んでここまでやってきました。ひとつ成功体験があると、何か別の事業を立ち上げようと思ったときも、「あのとき成功したから頑張ろう!」と思えるんですよね。

負けを知っているというのも、ひとつのいい経験ですよね。負けを知らないと、前例主義というか、周りの環境の変化に敏感じゃなくなってしまって、自分たちが今どういう状況なのかがわからなくなってしまうと思います。去年の対抗戦は4位でしたし、明治大学も勝てない試合があって、負けを経験することでグンと伸びていった部分もあったので、そういう経験も大事だなと思いますね。

写真

今回明治大学が帝京大学に勝ったというのは、歴史が変わったという感じがしますね。昔からの明治大学ファンがたくさん泣いていたんじゃないかなと思います。僕はあの試合TVで観戦していたんですけど、後半ほとんど立って応援してました(笑)

改めて自分たちが勝つ意味や大義という部分を学生たちも理解できたんじゃないかなと思います。選手たちにとって、日本一になることだけが目標になっていると思うんですけど、去年新チームになったときに「日本一になるだけが目標ではなくて、日本一になることによって何があるのか」というはなしをしました。例えば、日本一になったことでファンのみなさんが感動してくださるとか、大学ラグビーがもっと盛り上がっていくとか、そういう結果にも繋がるんだということもしっかり理解できたシーズンになったのではないかなと思います。

日本一になってから、選手たちの気持ちの変化や周りの反応を見て、その教えの意味がわかったでしょうね。

残った3年生以下の選手は、じゃあもっとやらなければいけないなと感じたと思うので、今年の春以降もしっかりと自分たちのやるべきことに取り組む姿勢を見せてくれていますね。

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「前へ」という言葉を次世代に繋ぐ、
田中監督流の育成術

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