YAMADA'S
“SYOUBU-MESHI”山田の勝負メシ
うなぎは試合後のご褒美!
内臓を制するものは試合を制す!?
最近アスリートの方を見ていると、トレーニングや食事法が変わったことで選手寿命が延びたように感じますね。
かつての飲まず食わずの根性論の時代は終わって、無理な減量はしないとか減量後をどう過ごすかなど、いろいろな新しい情報がたくさん溢れていますね。試合後すぐに酒は飲まないようにしたり、目の検査やCTを受けて問題ないかを確認したり。そういうケアを徹底しないと、脳内で出血することもあるので、徹底して管理していますね。
丹羽選手が取り組んでいるタンパク質を摂らない減量スタイルは、内臓を休めるためですか?
そうですね、1ヶ月間、約10キロ減させる減量期間のうち、最初の一週間は「食べる断食プログラム」でタンパク質をカットすることで、胃腸や腎臓、肝臓をリセットして回復力、吸収力がグンと上がります。 そこで休ませてからそこからリカバリー食でタンパク質を入れながら減量ベースを整えていく、食アスリート協会にバックアップいただきながらのしっかり食べて、しっかり痩せる、米トレプログラムです。 (参考著、かんたん やさしい 食べるを変える 米トレ 馬淵恵)
減量中ってかなりの空腹感じゃない?空腹とどうやって付き合ってるんですか?
減量時の食事量を食べていくと、胃の大きさがそのキャパになっていくし、そのエネルギー量になって身体が順応していくんですよね。空腹感を感じると、「あ、今若返りホルモン出てる!」ってイメージを持っています(笑) 飢餓感は身体が若返るひとつのスイッチ、「サーチュイン遺伝子」が発動しているなと思って付き合ってます。そのストレスに付き合えないと試合にも勝てないですね。
「減量」と「ダイエット」の違いをわかっていない人多いでしょうね
そうですね。「減量」はリバウンドさせるためのもので、なるべく筋肉を落とさずに体脂肪だけを落として、最後に水抜きをしてその分を計量が終わった瞬間にリカバリーする。「ダイエット」は食生活と運動習慣の両方に取り組まないといけないものです。
よく食事と運動の割合が大切って言うじゃないですか。丹羽選手的にはどう考えていますか?
食事6:運動4くらいの割合ですかね。筋肉の中でしか脂肪は燃えないので、まずは筋肉をつけないと痩せるということは難しいので、運動は大切ですね。でも食生活が荒れている人は、食べ過ぎに気をつけてセーブしてコントロールすることも大切なので、その人の生活習慣をヒアリングしながらパーソナルトレーニングをしています。
丹羽選手ご自身も食に対する意識って他の選手と比べるとストイックな方ですよね?
そうですね。減量に対してストイックな選手は多いですが、減量後にまず何を食べるかという点では選手によって様々です。我慢した分、食べたかったものを食べるという選手も多いですね。
僕の場合は、計量後も少しずつ水分やエネルギーゼリーを取って、胃が落ち着いてきたら離乳食のようの状態のものから食べ始めます。
すべて内臓のために?
そうです。内臓を優しくケアすることを第一優先にしています。胃の中が空っぽで動いていなかった胃にいきなり放り込むわけだから、ゆっくりゆっくり・・・
格闘技って筋肉をハードに作って、メンタルを強化してというイメージがありますが、身体に打撃を受けるからこそ内臓を大事にすると聞いて、時代が変わってきているなというのを感じますね。
人それぞれの価値観があるので、変わらない人ももちろんいると思いますが、変わってきている部分もありますね。
今日食べてもらったうなぎも無投薬のものなんですけど、まず内臓作りが大事なんですよ。うちにはうなぎの気持ちを感じ取りながら育てる鰻師という職人がいて、うなぎが今餌を食べたいかを見極めています。定期的にうなぎを大きさに応じてとって解剖して内臓と血を見るんです。血をみたり、肝臓の色を見たり。いい肝臓の色をしているうなぎは病気にならない。
格闘技の世界で内臓に目を向けるということがまだ少数派であるように、養鰻の世界でもこの概念はまだないんですよ。格闘家の人でもポテンシャルは高くて勝てるかもしれないけど、きちんと身体をケアできていないと長く戦うことは難しいんじゃないかなと思うんですよね。だから丹羽選手の取り組みを聞いていて、丹羽選手は鰻の養殖をはじめてもうまくいくなと思いました(笑)
うなぎの気持ちを感じ取れるかもしれないな(笑)
試合の直前は食事をするの?
試合が夜であれば当日の朝〜昼は食べますが、試合直前は食べないです。腹が満たされていると穏やかな気持ちになってしまうから、腹が減ってないと戦えないんですよ。
そうなんだ!
戦うためには飢餓感とか、空腹感がないとダメなんですよ。あとは減量するときに、動物性たんぱく質か植物性たんぱく質を選ぶかでも変わってくると思っていて、以前豆類をメインに減量していたときは楽に体重は減らせるんですけど、気持ちがめちゃくちゃ穏やかになっちゃんたんですよ(笑)
戦うためには肉の恩恵を授からないといけないなって。うなぎもそうです。スタミナがあるものを食べているときのほうが、闘争心や沸き起こる気持ちを感じます。野菜や豆も身体にはもちろんいいんですけど、気持ちが穏やかになるのが格闘家には困りものですね(笑)
僕の場合、年間100匹はうなぎ食べているから、それでパワフルに仕事ができるのかも。自分たちで作っているから安心して食べられるし、パワーフードですね。
うなぎがやる気スイッチになっているんですね。ところで、うなぎは何を食べているんですか?
青魚を粉砕してビタミンを添加して作るフィッシュミールです。餌の値段は養殖業界市場、ダントツに高い!でもその分いいうなぎに育っているという自負があります。
めちゃくちゃ美味しいですもんね!いいうなぎが育っているというのはよくわかります。うなぎの商品にも種類がいろいろあると思うんですけど、どういう違いがあるんですか?
うなぎの種類はほぼ一緒で、タレのコンセプトが違うんですよ。いらないものをどんどん削っていって差別化していて、醤油とみりんと砂糖だけを使った究極のタレを使っているのが、オーガニックうなぎ「山田の粋」です。
この商品を開発するにあたって、一番大変だったことはなんですか?
世の中が添加物慣れしていて、色や味に物足りなさを感じる人が多いことですね。そこで江戸時代のうなぎってどんなものなのだろうと思って調べたんですよ。そしたら、そもそも添加物なんて存在しないから、醤油と砂糖とみりんで作るしかない。でもその添加物を使っていない調味料を見つけるのが大変でした・・・
オーガニックの調味料って原価も高いでしょう?
そうなんですよ。原価がかかるから商品自体も価格が上がってしまうので、究極別に売れなくてもいいやと思って作りました(笑)
そうなんですか!?(笑)
こういう商品を本当に必要としている人に食べてもらえたらいいなと思っているし、かっこいいことをいうと、子どもたちに本来のうなぎを食べてもらって後世に受け継いでいくべきものなんだと思ってもらいたいなという想いを込めています。
調味料にアミノ酸って書いてあると「これアミノ酸入りって書いてあるから身体にいいんじゃない?」とか言われることがあるんですけど、ダメだってよく言っています。だからこそこんなにシンプルなタレは本当に貴重だと思います。
そうなんですよ。こういう商品をもっと世に出していくにはどうしたらよいかを日夜考えています。
丹羽選手はよくSNSで独自のレシピを披露されていますが、格闘技界での自炊率NO.1なんじゃないですか?
しっかり自炊する人は少ないかもしれませんね。自炊はよくします。
市販のものだと、どんな添加物が入っているかわからないから、減量中や追い込み期間中には特に気をつけています。身体にいれるものなので、いい悪いがダイレクトに反映されて、それによってパフォーマンスも変わりますからね。自炊を中心に、外食する場合でも安心して食べられるお店で食事をします。
試合が終わったら、うなぎの駅でも丹羽圭介レシピのコラボメニューのプロジェクトも進めたいですね
僕レシピを考えるのが好きで、うなぎと何が合うかなあと考えているんですけど、やっぱりネギと温玉は間違いないですね!今だったらインスタ映えとレシピ名のゴロの良さも意識して、うなぎの活力が伝わるレシピを考えたいです!
丹羽選手は、いつもどんなときにうなぎを食べているんですか?
試合後や一週間たんぱく質カットする「食べる断食」のあとにご褒美としてリカバリー食に食べています。ネギと温玉を乗せて、「鰻ローディング」をすることで疲労回復もしっかりできるので、いつもお世話になっています。
「鰻ローディング」っていいフレーズですよね。頑張っているアスリートに食べてもらえるというのは僕らにとってもとても嬉しいことです。いろいろな種目のみなさんを応援していますが、格闘技が一番自分から遠い競技だと思っていて、自分ではチャレンジすることは難しいからこそ、その選手に食べて試合に挑んでもらえると一緒に戦っている気持ちになれて嬉しいんですよ。